その日くらい良いじゃない

日々おふとんの中

声優魂を読んだ。

とても面白かった。これだけで感想が終わってしまう……

 

声優魂 (星海社新書)

声優魂 (星海社新書)

 

 

業界の端っこの人間としては泣くことしかできない。凄い……

淡々とした文章で淡々と書いてあるだけ。インタビュー記事のような本ではあるんですがファンが読めっていうよりオタクが読め。クリエイターよりも就職してない大学生が読むべき本でした。本当に読んでっていう感じ。

おっさん絶賛って帯がつくレベル。おっさん以外絶賛しないかもしれんけどw

 

 

 

こっからは本とはあんま関係ないんですが

先日、アニメのキャスティングのテープを聞くという作業をしました。

過去にもやったことはありましたが時代と立場が変わった今

私は声豚だと思ってたけどそんなことねぇなぁ。

思ってたよりシビアに選んでました。ただ、若い子は皆うまいなぁって思いました。

 

主役に50人いてテープ一本2分くらい。この人はダメだなって思うのが5人位。

つまり45人はだれがやってもいいと思うんです。ボーダー超えるって意味でね。

選んだ方法としては声優同士の殴り合いしてって

右と左どっちが残っての脱落方式でした。

お金のこととかは当然考えなくていいので自分の中で一番いいのを決めて

私くらい暇人が聞いてると全部で20時間以上ぶっ続けで聞いて吟味したわけですが

そこで一位にならないと役はもらえないわけです。

 

テープの並びは適当だったために最後のほうで

誰もが知ってるような人が出てきました。死ぬほどうまかったです。

これをガヤしかしてない新人声優が殴り倒さないといけないんです。

若い子を推したい、贔屓したい心を持ってるので辛かったですが嘘は付けないなぁと

実際殴り倒した人が居ましたが

次に若いのに中堅な声優さんが出てきて全員殴り倒しました。

私はその人に票を投じました。

結論から言うと私が書いた人は一人も役を貰えてないの含めて

ほんとうに厳しいと思いますw

 

当然ですがこの作業には金銭は発生しません。

何もモノはできてないんだから当然です。

私みたいな奴ですら20時間以上使われたわけで

私より忙しい人の時間も大量に使って一人が決まるわけです。

世の中で一番貴重なものって時間です。

人は平等ではないので、才能を持った人の時間を使うということは

その分だけ世界は何かを消失してるんですよね。

私は好きでやってかつメリット無いのにやったのでいいんですけども。

 

なので声優は本当に狂気の世界だと思うよ……

ネジ外れてる人以外関わったらダメっすわ。